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「酒場ライター養成講座」の編集者。

  • 2008-11-13 (木)

「宣伝会議」の関西本部長の松井さんがいらっしゃって、次期の「編集ライター養成講座」について打合せをする。

雑誌とくに情報誌は、一部を除きどれもちょっとしんどい状態で、エルマガジンも12月売りを持って休刊するとのことだ。
今年に入って「神戸ウォーカー」が休刊、「ぴあ」も業績不振で、「関西1週間」も発行がサンケイリビング新聞社に移管された。

そういう業界の編集者たちが、学生に何を教えるというのだ。

その点、バッキー井上がはじめた「酒場ライター養成講座」はどうだ。
これは、文句なしに面白いではないか。未来も見えてくるのである。

桃知利男もブログで「バッキー井上さんの酒場ライター養成講座。」を書いていて、桃知はオレらが長い間、井上らとやろうとしたことを、いともたやすく短期間で回収しているな、と舌を巻いた。


これはおべんちゃらではなく、オレらが『ミーツ』でやってきたことというのは、

「思想を学ぶには根性がいる」

ということを、書物からだけではなく、街のお好み焼き屋や居酒屋やバー…を通じて、のたうち回りながらやってきたことだ。

井上は酒場を書いていて、原稿中に「ああー」と唸ったり、「たまらん」としびれたりも入れたりするが、それは

「考えるときは、もうちょっと根性を入れて、考えましょう」(橋本治『いま私たちが考えるべきこと』帯より)

ということの「酒場ライター」としての実践の結果であって、「グルメライター」や「ファッションライター」が書くことではない。(桃知も「あー」と書いているが)

「酒場ライター」でもなんでもない「タダのライター」の奴が書けば「百円ライター」以下である。

これはわたしが井上の生まれて初めての編集担当者で、初めて連載を頼んだ張本人だったから間違いがない。
そこのキミら、よう聞いときや。

それはまさしく「考えることについて考えること」の根性であって、何で同じスーパードライなのに、コンビニで買って飲むのと、仕事帰りに行きつけの立ち飲みで飲むのと味が違うのかとか、どうして北新地のクラブで飲んでおもっきり楽しくかったのに、明くる朝には二日酔いのシビレ頭を掻いて「あー、昨日はやってもた」となったりするのかや、約1カ月後に来た請求書を前に、生きることをやめたくなるかを考えることでもある。
新しいベンツやエルメスを買って満足とか、三つ星のレストランでいいワインを飲んで美味しかったね、とかいったことではない。

何でもそうだが、そういうことが分かるのはいつもやってしもてからの事後的なことである。

「そんなのは、どうでもいいんじゃないの」という人は、グラン・メゾンのボーヌ・ロマネよりも、居酒屋の冷や酒が旨かったりする現実が分からない人だ。

オレはこんな人間だということの「わたしらしさ」の追求を目的化して、どこそこに住み、どんな椅子を置き、家で何をして、どんなクルマに乗り、どんな服を着て、どんなところで何を食べ何を飲むか…なんてやってしまう方向性は、とても思想が貧弱だ。

そうではなく、きょうの休日は近所のお好み焼き屋でモダン焼きを食べて、脂まみれになったから一旦家に帰って風呂に入って、やることがないから今度は昼から開いてる居酒屋に行って、そのままそれを晩ご飯にして、飽きたからまたブラブラして、この頃ご無沙汰してるなあとふと思い出してバーに飛び込んで旨かった。

だからこそ何ものでもないオレがいる、というふうにやらないと、生きていて面白くも何ともない。ただの馬鹿になってしまう。

世の中には「酒場馬鹿」とか「だんじり馬鹿」とか本当にいろいるが、「ただの馬鹿」は「全方位型馬鹿」で、これは世の中にとって困る存在だし、まちを歩いていてすれ違う人が素敵だとか、ふとした友人の言葉や小説の一節や広告コピーにぐっときたり、ジョアン・ジルベルトの声やカラオケのフレーズに泣いたり、とかの当事者になれないから、生きていても水くさく味気ない。

街で飲むただの一杯のビールがこの上なくうまいと思うのは、実はギリギリの大人の勝負所なのである。

そういうことが「酒場ライター」の仕事であり、だからこそ「酒場ライター養成講座」が、出版業界のみならず、街に必要とされているのだと思うのだ。

だからオレはこういうメンバーなら、こいつらと一緒に、もういっぺん、雑誌をやったろかぁ!と思うのである。

ということでちょっと編集してみる。

錦・高倉屋の胡瓜の古漬けを食べながらバッキー井上さんのテクストを読む快楽。(京都錦市場) 

その5 焦げたソースの匂いが誘う、35年前、35年後。「お好み焼き 吉野」 

お好み焼き 吉野。なぜに京都でお好み焼きなのか。(京都市東山区)

ホルモンはでかい。中にはちゃんと切れてなくて3つぐらいつながっていたりするのがあるからなおさらでかい。脂もたっぷり残してある。甘辛いタレも抜群で、ビールがすすむぜコノヤローなのである。 

これは抜群のテキストである。 

その19 漬物屋とホットウイスキー。寺町京極のサンボアバー。「京都サンボア」 

そうだ、ホットウイスキーがあったよ。

 「打倒!プラスチック人生」(@バッキー井上) なテクストの書き方。 

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Comments:1

枝川さと子 2009-01-16 (金) 22:19

「酒場ライター講座」現在も続行中なら参加したく思います。時間等教えていただければ幸いです。

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