ブログTOP > 中島 > せやし 京都 行こう~昭和の日トークショー。

せやし 京都 行こう~昭和の日トークショー。

  • 2010-05-01 (土)
  • 中島

ご報告が大変遅れて申し訳ない(ぺこり)。

昭和の日の4月29日(祝)15時から、『せやし だし巻 京そだち』の作者二人によるトークショー&サイン会が、大垣書店四条店で行われた。

どピーカンの連休初日、どう考えても繁華街にある書店の一角に固まって人の話を聞くよりも、宝ヶ池公園か府立植物園で寝っ転がってビール飲んでる方が楽しそうな午後ではある。が、そんなひとときよりもこっちを選んでくれた人が少なくとも35人以上いてくださったようで、下手な司会者としてはお礼の涙そうそうであります。

やはり小林明子&ハンジリョオ合作の力であろう。

13時30分に「ここで打ち合わせしたら縁起がいい」と私が勝手に思っている紅茶好き女子のメッカ[ムレスナティーハウス]に集合。一応用意してきた進行台本(といっても「小林さんここで率直なコメントを」とか「ハンジさん何か言うたってください」しか書いてない)を確認し、本番前の緊張を和らげる。

本番まであと30分となり、大垣書店に向かう。現地では専務の大垣全央さん、社長の大垣守弘さんがお出迎えいただき、より緊張が増す。何と言ってもこのお二人には、京阪神エルマガジン社時代→キョースマ!時代→140B自社本と10年近くお世話になっていて、事あるごとに励ましてくれた恩人だからである。

15時、いよいよスタート。マイクを片手に「昭和の日」にちなんだ前振りをするが、どうもカタい…。しかし、主役の2人が入場すると、そのカタさが「華やぎ」へと変わる。要するに私一人が勝手に緊張しとった訳ですな。

小林さんは、『せやし だし巻 京そだち』136ページに登場する20代の時に仕立てた綸子(りんず)の着物(写真上、4月28日の朝日新聞京都版もこの着物で撮影)で登場。当時ピンクに染めた生地をこの、大人の女性しか絶対似合わないような(というか小林さんならではの)深い茶色に染め直して登場。彼女が真ん中に座ってくれたので「座」が一気に締まった。

ハンジさんは「漫画家ハンジリョオ」としてパブリックな場に出るのはこれが初めてということで、私とどっこいどっこいに緊張し「こっちに話を振ったらアカン」オーラを全開で出していたが(笑)、作者なんやからそうはいきまへんで。

内容はこの物語を書こうと思った動機や、きっかけとなった『キョースマ!』錦市場特集(写真上)のこと、東京の編集者に「あれは本にしたら面白いのにしないの?」とある日小林さんが言われたこと、アッコちゃんの知られざるエピソード(お母さんはかつて幼稚園の先生だった、アッコちゃんは実は左利きだったetc.)などなどが披露され、小林さんがまたあの堂々としていてかつ力を抜いたトークで、会場を笑いに包んでいく。私も司会者という職務を完全に忘れ(忘れるなよ)、アッコちゃんの語りを楽しんでいました。

トークが終わり会場から質問がいくつか飛ぶ。「あのだし巻きの青年(にしやん)はその後、どうなったのですか?」と年配の男性。それは小林さんにも分からないとのことである。が、本は全国で発売しているのだし、何かのきっかけで彼本人があの本を手に取ってくれたらハッピーである。「にしやん」はお母さん、おばあちゃんと並んでハンジさん渾身のキャラ。そのあたりを読者は見逃さない。

『京都店特撰』のバッキーも漬物屋の仕事が忙しかったろうに、会場に駆けつけてくれ「この本はヤラれる。子供の頃の記憶と完全にかぶっていて本当に引き込まれた。ヨメはんも何度も読み返している」と最大の賛辞を送ってくれた。おおきに。

会場には、10代から80代までと幅広い一般読者の方に交じって、小林さん以上に華があるお母様や素敵なアッコちゃん人形をつくってきてくださったハンジさんのご両親、『キョースマ!』時代にお世話になった淡交社の皆様もご来場いただき、非常にファミリー&アットホームな雰囲気であったが、デザイナーの坂本佳子さんがつくってくれた落語会的な「めくり(進行のお題が書かれている)」のおかげでそれに輪をかけたように和みモードが高まった。天下のアートディレクターにお茶子さんまでさせてすみませんでした。

終了後はサイン会。それが終わって大垣書店の皆様にお礼を言って会場を後にし、打ち上げ会場である[百練]へと二人の作者と一緒に錦市場を歩いた。

『せやし だし巻 京そだち』は大阪万博が開かれた昭和45年前後の話である。この錦市場もかつて小林さんがおばあちゃんやお母さんに連れられて買い物をした場所。物語の冒頭で「家事労働要員」として育てられたと述懐しているころの錦は、今もあまり変わっていない。

それゆえ、当時の京都を知らないどころかまだ生まれてもいなかったハンジさんは、現在の錦の感じを手がかりにしながらこの物語を視覚化させることに成功したのではないだろうか。もし錦市場がヘンテコなショッピングモールに変質し、烏丸二条あたりの街並みが当時の面影を一切とどめないほど変貌していたら、こんなマンガを描こうという気にもならなかったのではないかと思う。

小林さんの記憶にある錦市場や烏丸二条は、京都住まいの後輩であるハンジさんにも月に2回ほどしか京都に来ない私にも、その感覚が少しは共有できる。[畑野軒]でだんごやお饅頭を買い、向かいの宇治屋で買ったお茶を淹れれば、自宅でアッコちゃん家族の幸せが何十分の一かだけでも味わえる。

そういう意味で『せやし だし巻 京そだち』という物語のリアリティを支えているのは、京都という街を流れるたおやかな「時間」と、街の記憶を次世代に伝えようとする「無名のひとびとの営み」ではないかと、昭和の日にしあわせな気持ちで錦市場を歩きながら、ふと考えた。

このブログ内をタグ検索:

Comments:0

Comment Form

コメントを表示する前にこのブログのオーナーの承認が必要になることがあります。

Remember personal info

Trackback:0

TrackBack URL for this entry
http://www.140b.jp/cgi-bin/mt/mt-tb.cgi/797
Listed below are links to weblogs that reference
せやし 京都 行こう~昭和の日トークショー。 from 編集集団140Bブログ

Home > 中島 > せやし 京都 行こう~昭和の日トークショー。

編集集団140Bのプロフィール
140B劇場
サイト内検索
Feeds
Syndicate
    あわせて読みたいブログパーツ
track word

Page Top